サバイバー麗香は18の頃から健康に並々ならぬ関心をもつようになりました。
いわゆる健康オタクです。
大学入学を機に一人暮らしをはじめ、親の食事から解放されたとき。
やっと好きな時間に好きなもの食べられる!!!
自由だ!イエーーーイ!!!
と感激したのを覚えています。それからはバイト代をつぎ込んで珍しいメニューに
挑戦したり、高い食材を買ってきては友達に振る舞ったりと料理に励む日々。
レストランの厨房でアルバイトも経験しプロの料理人のテクニックを盗んだりもしました。
一方、好きなものを好きなだけ食べる生活になったせいか
3食規則正しく食事をしなくなったせいか
高校時代の体型と比べると、だんだん脂肪が目立つようになってきました。
当時流行っていたダイエットは一通り試したと思います。
マイクロダイエットやオルビスなどの置き換えジュース。
ステッパーやエアロバイクなどのダイエット器具。
脂肪を燃焼してくれるL-カロニチンやαリポ酸等のサプリメント。
コントレックスを飲んだり、プロテイン飲んだり、青汁飲んだり。
特に大学時代はお金も時間もあったので好きなように
食事を変え、暴飲暴食も当たり前。痩せては太り痩せては太りを
繰り返していました。
大学を卒業してからも興味は尽きません。
ダイエット商品に飽きてきた私は今度は健康法や食事法にたどり着きます。
マクロビオティック、ナチュラルハイジーン、鈴木その子、低GI
低炭水化物など定番モノから今思えば危ないモノまで一通り体験してきたのです。
まあ・・・ここまでは巷のブロガーにも同じような変遷をたどって
リバウンドを繰り返してきたみたいな人がいるかもしれません。
私が違うのはここからです。
私が専門としているのは
ダイエットにおけるメンタルです。
当時、大流行していたヨガに出会った私は、ヨガ教室に通いつめます。
ハタヨガという流派で体を動かしてポーズをとることだけを
目的としているようなヨガ教室でした。
そんなレベルの低いヨガ教室に嫌気がさしもっと本格的に学べるところはないかと
探し始めていました。
当時は並行してチャネリングやヒーリングに興味がありよく体験していました。
また、アロマセラピーを仕事で担当していたため
どっぷりとスピリチュアルやメンタルケアの世界にはまっていました。
メンタルから自己啓発に興味が移り、自己啓発系の書籍や教材もあさるようになっていました。
本屋で売ってるような有名どころの自己啓発本はほとんどチェックしてると思います。
そこでチャンスが訪れます。
東京へ行くことになったのです。
東京にはレベルの高い講師がいるヨガスクールがたくさんありました。
これは深く学べるチャンスだと思い、すぐさまあるスクールに入会しました。
そこの講師は皆インドに長期間滞在してグルに学んだような本格的にヨガを
追求している人ばかりでした。
定期的に世界的なヨガマスターも来日してクラスを開いていて、いろんなスクールから
ヨガを専門的に学んでいる人が多く集まっていました。
そこで学んだことはヨガ=瞑想であるということ。
ヨガは決して体型を整えるためにやるのではなく
心の作用を止滅するのが目的だという事。このことが理解できていなければ
所詮ヨガ=エクササイズなのです。
巷のダイエッターたちがやってるのもこれです。
これでは本来のヨガの目的とはかけ離れており、ヨガをやる意味がありません。
瞑想らしきものを続け、自分を見つめ、指導者資格までとったものの
私がやりたかったのはこれなのか?
と疑問が湧いてきました。
毎日朝早く起きて、瞑想をし、太陽礼拝をしてマクロビオティックな食事を摂り
といった生活を繰り返していくうちにどうにもこうにも苦しくなってきたのです。
合わない
と感じはじめたのです。
当然です。私は幼いころから食いしん坊で食い意地が張っていて
食べるの大好きで、人生の楽しみの一つが食事だったんですから。
瞑想も自分の性質とは合わないような気がし始めました。
黙って座っているということに耐えられなくなってきたのです。
おそらく人生経験を積んだ今の私ならできると思います。
ですが当時は25歳。動きたい盛り、元気な盛りでした(笑)
ここまでやったヨガをやめようか、どうしようかと迷っていた時に妊娠。
しばらくヨガをお休みすることになりました。
そして東京から引っ越しをすることに。
それをきっかけにヨガとは完全に距離を置いてしまうことになりました。
ここまで点・点・点・・・とダイエットに関することに「点」で接してきた私ですが
とうとう点と点がつながる出来事が起こります。
それがうつ病でした。
夫がうつ病と診断されたのです。
診断される前からちょいちょい調子が悪そうだなとは思っていたんですが
しばらく落ち着いたり、また不安定になったりということが続いていました。
あれだけ仕事命で会社大好きだった夫が
会社に行きたくない
と私に明かしたときはじめてこれはもう病気だなと思ったんです。
それからは強制的に受診させ、診断書をもらい休職させてもらうように
会社に頼んだりと猛スピードで事が進んでいきました。
結局本人の意向で休職はしなかったのですが、これが今思えば間違いでした。
病状はどんどん悪くなるばかり。
薬はどんどん強くなり、幻覚や妄想に取りつかれ
自殺未遂やDVも多くなりました。
人生どん底でした。
もう終わりかなと思いました。
息子を愛せないから養子に出そうとまで言われました。
もう3人で一家心中したほうがいいかもしれないとまで思い詰めていました。
病院を変えてみたり、カウンセリングに通ってみたりと
いろいろやってはみたものの、あまり変化はなく。
ただしんどいだけの毎日がしばらく続きました。
薬に頼ってばかりじゃいけない。
医者に頼ってばかりじゃいけない。自分も病気について勉強しないと。
と当時の私はそう決意し、ストレスや鬱関係の本を読み漁ったんです。
そう決意できるまでに私のメンタルも持ち直していました。
毎週図書館に行き、関係ありそうな本を片っ端から借りて読んで
「これは!」と思った本の著者を検索してその著者の本をまた全部読んで・・・
といったことの繰り返しでした。
そこでストレスと食事の関係、うつ病と栄養に関係があることが最近になって
注目されはじめたことを知ったのです。
そこからです。
私がメンタルと食事について結びついて考えるようになったのは。
夫がうつであるというストレスで私自身の食欲もめちゃくちゃになっていました。
夜は眠れない。食欲もなかったり、異常にあったりと乱高下していました。
自分もうつになってしまうんじゃないかという不安も常にありました。
膨大な書籍を読んでいく中で、
ストレスと栄養、メンタルと食事。これは間違いなく肝だぞと。
これを勉強して実践すれば絶対変わると確信が持てました。
その後は節約料理を一切やめ、栄養に気を配りストレスケアに力を入れていくうちに
徐々に回復傾向がみられるようになってきたんです。
今はもう節約料理をやめてずいぶん経ちますが、メンタルと食事に注力するようになって
ちょっとやそっとじゃ体重や体型も変わらずに維持できるようになりました。
ストレスが強かろうと、暴飲暴食しようと、運動不足になろうと
メンタルと食事、この二つにさえ意識を向けていれば
元に戻せる、体型をコントロールできる力を手に入れる事ができたのです。
これが本当の
好きなように好きなだけ食べられる
という私が望んだ状態なんだとわかりました。
毎日何をどんなふうに食べようと罪悪感をもつことなく暮らすことができる。
夫のうつ病を通してやっと私が長年望んできた境地に辿り着いたのでした。