「お前のために頑張っている」という恩着せがましい親は子どもの心を傷つけながら、自分の心のキズを癒しているのである。
「あなたのためにしてあげた」という感情こそ人間関係を悪くする最大の要素である。
「自分の世界」をもって生きれば人に対する恨みはずっと少なくなる。「あんなに子どものために働いてきたのに」と成長した子どもの態度を嘆いている母親は、「自分の世界」を持てない女性だったのである。
「これはダメです」と言える親に子どもは安心する。
大きな問題にぶつかって「どっちを選ぶか」というときに、子どもに「自分で決めさせる」親は、親自身が自分の人生を自分で決めてこなかったことが多い。
「自分で決めなさい」も「あなたはどうする気?」も母親が自分の気持ちを落ち着かせるために言う言葉である。やるべきことを手放していることへの母親の言い訳である。
自分のある親はいつか子どもがわかるときがきたときに備えようと思う。いつか子どもが気づくときがくる。いくら今「わかってくれ」と子どもに言っても無理ということもある。
ある程度の年齢になったら、自分を持っている人は不必要に人とかかわらない。こと心理的に人と絡まない。人を恨んだり、妬んだり、人と張り合ったりというようなことをしないという意味である。
自分を持っていない人は他人がどうなるかが気になる。
子ども自身にとって大切なことは自分が何をしたいかをできるだけ早く具体的に知ることである。
親の方は自分が挫折したので、単に社会に復讐するために子どもを成功させようとしているだけである。
プレッシャーをかける親のほうも深刻な劣等感を持っている。親のほうも自分がなりたい自分になれなかったのである。子どもにプレッシャーをかけることで自分の心の葛藤を解決しようとしているのである。自分で自分の劣等感を解決できないで、子どもにプレッシャーをかけることで解決しようとしている。
もし子育てがうまくいかないときには、何よりも親が自分の幼稚さを認めることである。
よく母親が「どうしてあなたはそんなにだらしないの」とこどもを叱る。しかし子どもをだらしなくしたのは母親のだらしなさなのである。
「どうしてあなたはできないの」症候群の「どうして」という言葉を使うときの人間関係は憎しみの関係である。親子関係なら、親は子どもが嫌いである。そして子どもが自分の望むようになっていないときである。
「あなたさえ幸せならお母さんはそれでいいの」これは愛情の言葉ではない、フロムの言う好意的サディズムの言葉である。本質的には「私を幸せにして」という子どもへの要求である。そしてこれは子どもに対して「あなたはこんなよい母親をもって自分を幸せと思え」という強制でもある。明らかに相手の心の自由を奪うものである。こういう言葉を言う母親は強度の依存心の持ち主である。これも無意識である。
「自分はこれがしたい」という欲求がないと、相手に「こうあってほしい」ということが最も重要になる。
子どもを上手く褒める秘訣は「真剣さ」と「繰り返し」
大変、大変勉強になりました。反省することしきりです。。。かなーり辛口で読んでるとヒリヒリが止まらないですがあとがきにはちゃんと「実は子育てはうまくいかなくてよい。親も人間だからそう理想の子育てはできない」と書いてあります(笑)大切なのは実際の自分の姿に気づくことだそうです。子育てで自分が成長できるってよく言いますけど心理的な成長と言うより「知らなかった自分を知る」ことかなと。こういう本を読まずに自己流で子育てしてれば全く成長しないだろうけど、自分の子育てのどこがよくないのかをちゃんと知って改善していける人が子育てを通して人としても成長するんだろうと思います。しかしタイトルを見ただけで私にこれを読んでくれと言った息子の勘の良さなのか鋭さなのかたぶん無意識が恐ろしい。