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手段は運動じゃなくてもいい。心と体が健やかであることが大切

健康になる手段はスポーツじゃなくてもいい

2007年の東京マラソンを最後に現役を引退し、現在はスペシャルオリンピックス
日本理事長などいくつもの顔を持ちながら、多くの人の「健康」を推進する活動
をしている有森さん。現在のスポーツとの付き合い方について尋ねると
意外な答えが返ってきた。

「私は仕事としてスポーツをしていたので、引退後はほとんどスポーツはしてい
ないんですよ。でも、健康であるために日常生活でも意識的に歩いたり、階段を
登ったり、荷物を両腕でバランスよく持つようにしたりと、そういう意識は身に
ついているので、そのバランスが崩れない限り不健康にはならないと思います。」

大切なのは、継続すること

そもそも、有森さんはスポーツについて
あくまでも心と体が健全であるための手段のひとつ」だと考えているそう。

「心と体を健全にする方法は、音楽やアートでもいいかもしれません
みんながわかりやすい方法のひとつが、体を動かすこと。歩くだけでもいいんです」

運動というとストイックなイメージが強すぎて、それで運動に一歩を踏み出せない人
が多い。でも有森さんの考えでは、心と体を健やかにするために、朝起きて寝るまで
の生活の中でエスカレーターの代わりに階段を使ったり、時には全身鏡で自分の姿を
チェックしたりといった習慣だけでもいいと考えている。

「運動するか、しないか、の二択にしないほうがいいと思うんです。
メンタルも含めて健康でいるためにできる、毎日のささやかな習慣なら
どんな人でも取り入れられますよね」

スポーツすることを目的にするのではなく、健やかであるための方法として
スポーツをしてみてもいい。有森さんの考えるスポーツは、とてもハードルが低い。

「例えば最近増えている大規模都市マラソンは、それまでのマラソン大会が
エリートランナーのためだったのに対して、抽選だからと走ったことがない人も興味
本位でエントリーしてしまう、間口の広さが魅力だと思います。走る目的は、美味し
いものを食べたいとか、自分自身のチャレンジとか、なんでもいいんです」

「スポーツをしなきゃと気負わずに、もっと気軽な気持ちでいつもよりちょっと多く
歩いたり、身体を動かすことを意識すればいいと思います。
何よりも大切なのは、継続すること

「これまでのスポーツは、専門性を見せすぎてきたと思うんです。
関わりがない人は入って行きにくい世界だった。東京マラソンのように、アスリート
じゃない人でも楽しめる機会を通じて、“これなら自分でもできそう”という幅を見せ
られたらいいのかなと思います。

そういうハードルの低さがないと、いきなりスポーツには入っていけないと思うんです。
ジムに行かなくても駅の階段でいいんですよ、と。そういう気づきを生むことで
より多くの人に健やかな心と身体を手に入れてほしいと思いますね」

さんざんスポーツしてきた方だからこそ、という感じがしますね。
運動をやらないといけない、わざわざ歩かないといけないという風潮がある中
元アスリートが運動なんてしなくても健康でいられる。そして運動以外の
例えば音楽やアートでも心を健全にできる。

あとは習慣と継続の重要性です。
運動しなくても習慣さえあれば体は健康でいられる。そして何よりも継続。
オリンピックレベルのアスリートなんて継続のかたまりみたいな人でしょう。
きっと10代になる前から継続してる「体を保つための習慣」というものがあるんじゃ
ないでしょうか。それに加えて膨大な練習量を継続して世界レベルへ行ける。
個人的には運動と音楽とアート。全部バランスよく人生の中で取り入れることが
できれば豊かな人生を送れるんじゃないかなあと思ってます。