幼い頃から読書や音楽、美術などに親しむ環境に身を置いていれば
「文化資本」は自然と身に付く。そしてこの文化資本は
大人になってからの「金を稼ぐ能力」とも密接に結びついている
裕福になれるかどうかを決める「文化資本」とは何か
文化資本とは、金銭以外の個人的資本を指す言葉だ。
フランスの社会学者、ピエール・ブルデューは「身体化された文化資本」
「客体化された文化資本」
「制度化された文化資本」の3つの形態に分類している。
「身体化された文化資本」とは、さりげない仕草や
立ちふるまいから知識・技能にいたるまで、文字通り
その人の身体に染み付いているものを指す。「客体化された文化資本」は、美術品や書籍といった
物として獲得されるもの、「制度化された文化資本」は
学歴などのように、目には見えないが社会的に
「意味がある」と認められているものをいう。そして、これらの文化資本は、「金を稼ぐ能力」とも
密接に結びついている。
理屈上は、金持ちでない家に生まれた子どもであっても
ハイレベルの文化資本を身につけられれば
自分でしっかりと稼ぐことができるということになる。しかし、現実は残酷である。
ブルデューは文化資本も経済資本同様
「主に親から子へと『再生産』されていく」と述べている。つまり、お金や土地などの資産同様
文化資本も親から子へ受け継がれていく性質が色濃いというのだ。
「その人が文化資本的なものに価値を見出すかどうかは
属しているコミュニティに影響を受けやすい」と話す。
たとえば、日本なら地方のヤンキーよりも都市部の富裕層のほうが
文化資本的なものに価値を見出しやすいコミュニティといえそうだ。「好きな小説について語り合って交友を深めるコミュニティもあれば
拳で語り合うコミュニティもある。
しかし、日本の支配者層が支持するカルチャーを文化資本とするなら
いわゆるヤンキー文化的なものは文化資本の範疇には入りません。地域によってはヤンキーがスクールカーストの頂点になる学校もありますが
社会という枠組みで見たら、彼らのほうが不利な状況に陥りやすくなるのです。もちろんヤンキー的なコミュニティーに属する人たちの全てが不利だ
と言っているわけではなく、あくまで社会的地位の取得において不利
になりやすい人が多くなるという意味です」
蛙の子は蛙と昔の人はよく言ったものですね。。
やっぱり付き合う人は大事。コミュニティから受ける影響は若いほど
大きい。人を選ぶ、環境を選ぶ、、東京都心部の教育熱心な親たちがこぞって
中学受験をさせるのはよくわかる。「環境が大事」ということを彼らエリートは
骨身に染みて理解している。(でも中学受験で入るような学校も病んでる子が
多くてそれはそれでヒドイ実態らしいですが。)
親としてやるべきなのは
勉強しろ、ゲームばっかりするな、先生の言うことを
聞けとむやみに叱ることではなくて環境を用意してあげること。
親の経済的階層が高くなく生活に余裕がないなら
経済資本を「再生産」しないようにできる限り
「文化資本」を身に付けられるような環境や教育を与えること。
でしょうかね。文化資本がちゃんとあれば、ちゃんとある人たちで構成される
コミュニティにいれば、ある程度ほかのコミュニティに比べれば
いじめとか諍いとか嫉妬とかくだらないレベルの争い事に巻き込まれる頻度は
減りますよね。ブラックな職場にブラックな人たちが多いように、ホワイトな
職場にはホワイトな人は多い。。学校や居住エリアも同じですよね。