本屋大賞とった宮下さんの新刊です。エッセイです。この人のエッセイはすごく好き。どっかで紹介したけどこっちも素敵です。

北海道のトムラウシに家族で1年間過ごした話なんですが、もうすべてのエピソードが面白い。私は北日本に住んだことないので、寒いところの話はそれだけですごく新鮮でした。


小説家が書くエッセイが好きなんですが、最近あんまりいいなって思うのがないんですよね。江國さんは昔書いてたんですけど最近は出てないし。エッセイ読むのはスマホでインスタ見るのと同じ感覚なんです。ちょっと気分転換に読む感じ。小説だと重いけどエッセイだと軽さが息抜きになるんですよね。お茶淹れて一息つく感じに似てますね。でもそういうエッセイが見つからない。昔はさくらももこさんのエッセイとか好きだったけどあれは笑いすぎて噴き出すのでNG。今なら朝井リョウさんのエッセイ最高ですけどあれも笑いすぎて疲れる。しかも下品だし(笑)

やっぱちょっとお洒落な感じのを読みたい。宮下さんのエッセイは私の苦手分野の音楽の話も多いので勉強になるんですよ。一石二鳥。やっぱピアノ習ってた人って素養がありますよね、詳しい。最近、賞を受賞する小説って音楽に絡んだのが続いてるじゃないですか。蜜蜂と遠雷とか。あれも音楽を知ってた方がより楽しめるはずなんですよね。だから悔しいというか。合唱とかああいうのにもまったく縁遠く生きてきたから、なんか大きなものを忘れてきちゃった感じが最近すごくしてしまう。置いてきてるというか。音楽に親しんでる=経済的に余裕があり、文化的レベル?の高い人々っていうイメージが強いんですよね。そういう側面絶対あると思いません?昔ピアノ習いたいって言っても置く場所と買う余裕がないって断られましたから。そういうとこから差がつきますよねー。結局、音楽・芸術みたいなものに全く触れずに今まで来てしまいました。

やっぱり両親の経済力とか育った環境でスタートラインは全然変わってきますよね。モデル・デザイナーの雅姫さんの娘さんって二浪して東京藝大に受かったみたいなんですけどやっぱりああいう家の子がそうだよね、受かるよねって感じを受けます。両親はそれぞれアパレルメーカーを経営しててデザイナーやってるし、ご主人は元プロサッカー選手で今はデザイナーってどんだけ才能あるのって感じだし(笑)雅姫さんはあの通りセンスありまくりで仕事で海外たくさん行ったり、子連れでも行ってるし、ファッションも仕事柄いつも最新で。家の中もオシャレに飾られていて食卓も彩り豊かで旬のものとか栄養バランス、流行の食材、手作りのお菓子だったり。


インテリアも新しいかアンティークの古き良き美しさがあるものかで構成されてて手を抜いたものが一つも無いようなお宅。犬もずっと飼っていていつも愛に溢れてる感じなんですよ。うっとりする。教育には厳しい感じを受けるんですが、もう環境からして違う。家族でライブやら個展やら行って。ちなみに雅姫さんのおじい様も看板の会社を経営していて芸術肌なんです。絵を描いて入賞したりとか。・・・遺伝ですかね(笑)もう美意識が普通に家族みんな高い。雅姫さんのセンスとプラスしてお金をかけてるだけあって家のインテリアも庭も四季折々の美しさを保っていて素晴らしい。そういうセンスの積み重ねが子どもに影響しないわけないですよ。ああいう家庭に生まれ育つ子って芸術界のエリートというか。

今後偉大なアーティストになるかどうかっていう話じゃなくって、ああいうものを受けて育ったら人生豊かになるだろうなってすごく思う。子どもに残してあげたいものってそういうモノも大事だと思う。音楽、芸術の世界って大人になってから入ることもできるけど、やっぱり幼い時から肌身に染みていくのが大事というかやっぱり積み重ねが作るものが人間性に現れるような。センスの集積ってやっぱり叶わないなと思う。それとそういうものを好きになる土壌を親が作れるかどうかですよね。


残念ながら我が息子は父親がピアノを弾いていてもピアノには興味を示さないし、クラシックが流れていても聞こえてるのか聞こえていないのか(笑)でも懲りずにクラシック聴かせようと思う。自分の教養のためにも、子どもの教育のためにも、家族全員のストレス緩和のためにも。それにはやっぱりインテリアとセットなんですよね。トータルの空間がよくないと聞く気も起きません。体を整えることと、家を整えることってつながってますね。なかなか奥が深い。