ドラマ化した『弱くても勝てます』の原作者、髙橋秀実さんのエッセイです。
ブックオフでいつもダイエット本コーナーに立ち寄るんですが
たまーーにこういう当たり本に出会います。
最初の数行読んで、即購入を決断。
めちゃくちゃ面白かったです。ついつい夢中になって更新がおろそかになってました。。
ダイエットのハウツー本読むより、こういう本読んだらいいですよ。
メンタルに超お役立ち。
個人的にはこういう「痩せられない人の思考」に触れると
反面教師でモチベーションにすっごく役に立つんですよね。
私もこういう思考になってないかな?
って客観視できる。
「だーから痩せられないんだ」っていうのがすとんと腑に落ちますよ。
印象に残った文章をのせておきます。
毎日のように「ダイエットしなきゃ」と焦り、本屋でダイエット本を
読み漁りながら、彼女はデブになった。
食べ過ぎ、運動不足、不規則な生活、ストレス、ホルモンのアンバランス、遺伝
・・・・・デブになってゆく原因を自ら探求しながら、デブになったのである。ダイエットはいよいよ明日から、ということである。
「汗をかくとハンカチやタオルを使うし、着替えもする。そうすると洗濯物が増える。
シャワーを浴びれば、水道、ガスを使ってしまう。体を動かせば、その分、お腹が
すいて、食事代がかさむ。
私はね、生活全体を無駄のないようにダイエットしているのよ。」彼女は生活をダイエットしていた。生活のダイエットに追われて
ダイエットするヒマがないというわけである。20代は50キロ台をキープ。
しかし結婚して5年目、30代に入ると60キロを超えた。
なぜここでダイエットを再開しなかったのか。それは
「あっさり手に入る」という経験から、彼女は体重を量っても、
必ずその数字から10キロを引いて考えるようになったからである。
「1年で戻れる許容範囲」として。「私は努力しないで、やせたいのよ。」
「何もしないで、しあわせになりたいのよ」
「努力には”美”がない。」
「努力して何かを得ても、当たり前でしょ。努力したんだから。
それではしあわせにはなれない」
「努力せずに得てこそ、しあわせなのよ。」「女性は自分を否定されるのが最も嫌いなのです。」
体験者たちは、ダイエット法と必ず「偶然」出会う。
「偶然の出会いがいいんです。」
「女性たちはこれらを読んで疑似体験するんです。自分も
こうなれるんじゃないかしらとか、自分がこうなったらどうかしらとか。
要するに”夢”を見るんです。」
「自分がダイエットに成功したら、こうなるんじゃないかと夢見るんです。
ダイエット記事とはそのためにあるんです。」
「夢だから、もちろん覚めます」
「だから、次の夢が必要になるんです。」「やせればいいというものではないのよ。」
「そう。やせてブスだったら、救いようがない。」「大切なのは見た目でしょう。号数なんてどうでもいいのよ。
美しく見えれば。」「台所が狭すぎる!」妻は絶叫した。
日に日に肥大化する妻にとって、台所は日に日に狭くなっているのである。
「息が詰まる」「なんでこんなに台所が狭いのか」「どうして私がこういう
貧乏な生活をしなければならないの!」「なんで私ばっかり?」・・・・
こうしたストレスこそが、ダイエットの最強の敵なのである。「生活や感情はなかなか自分ではコントロールできません。
でも体重だけは確実にコントロールできるんです。
意に反して太るということはないんです。うれしいじゃないですか。」「問題は体重だけじゃないのよ。疲労感もあるし、不満もいっぱいある。
たとえ体重が減ったとしても、それで解決にはならない。やせたらまた
次の欲望がわいてくる。どんどんどんどん欲望がわいてくるのよ。
とてもコントロールできないわ。」「運動してやせたら、その後もずっと運動を続けなきゃいけないわけでしょう。
それを維持するために。」
「それがイヤなのよ。そのずっとやり続けなきゃいけないという点が。」「この人と結婚してから、私は忍耐力というものがすっかりなくなってしまったの。
物事を楽なほう、楽なほうに考える癖がついてしまったのよ。」「やせてると、話が盛り上がらないのよ。」
「そうね。道化になる。私はそのほうがきっと楽なのよ。性にも合ってるし。」
「太ることより、シワがいやなのよ。シワになるくらいなら、太っていたほうがいい。
内側からシワを伸ばす。それでモチモチ、ツルツルお肌を維持する。」「だって何かをして何かを得たら、それを続けなきゃいけなくなるでしょう。
好きでもないことを続けるなんて、絶対イヤですよ。」「やせたらいい女になると思っている人が多いみたいですけど
それは自己満足みたいなものでしょう。
やせてどうなりたいの?その先、何があるの?と考えたら
今やりたいことをやったほうがいいですよ。」「体重は刻々と変化しているんだから、それをピンポイントで量ることに
意味があるのかしら。一瞬のことにすぎないのに。」「私はダイエットをプラスαでやりたくないのよ。」