『「いつものパン」があなたを殺す』の著者の第2弾です。
最初の本は強力なタイトルの割には中身がいまいちで(翻訳が下手すぎ・・・)読みにくさのあまり途中で投げ出してしまいました。ですが第2弾だけにはるかに読みやすくなっています。内容もマル。最先端の科学の本って本当に面白いですね。これからは予防医学がもっともっと重要視されるといいなあとつくづく感じました。個人的にはこの手の本は大好きです。
本書は病気と腸の関係について言及されている部分がほとんどですがダイエットにも役立つ非常に興味深い記述がありました。
4章:腸内フローラと食欲、肥満、そして脳の驚くべき関係
体重の重い人は怠惰で、摂取する量に比べてカロリーを十分に使っていない
とふつうは考える。
人が太るのは、本人の管理能力の問題だとされる。
食べれば太ると分かり切ったものを、我慢できずに食べているように見えるからだ。だが、もし太りすぎが本人の意思や遺伝子とはまったく関係なく、
腸内フローラが原因だとしたらどうだろう?肥満になるのは、腸内細菌たちの病気や機能不全のせいだとしたら?
脂肪の蓄え方の変化、血中のグルコース値のバランスへの作用
代謝に関係する遺伝子発現への影響、空腹や満腹を感じるホルモンに対する
反応への効果など、腸内細菌はさまざまな舞台で指揮を執っている。やせ型の人の腸内フローラは、多様な生き物に満ちたいわば熱帯雨林に似ており
肥満の人々の腸内フローラは多様性という面でかなり劣るというのが定説になっている。以前は、消費するカロリーより摂取するカロリーが過剰になれば太る、という
単に算数の問題としてとらえられていた。
しかし、新しい研究結果から、腸内フローラがエネルギー消費量において根本的な
役割を演じ、それがカロリー摂取と消費に影響することがわかっている。
結局どんな食事がいい腸内フローラを作るのかというと
1.プロバイオティクスが豊富な食品を選ぶ
・生菌入りヨーグルト
・ケフィア
・キムチ
・ザウアークラウト
・ピクルス
・コンブチャ
・テンペ
・発酵調味料
・発酵した肉、魚、卵
2.プレバイオティクスが豊富な食品を選ぶ
・生のニンニク
・生の西洋ネギ
・生の玉ねぎ
・調理した玉ねぎ
・生のアスパラガス
・アカシアガム(?)
・生のチコリの根
・生のキクイモ
・生のタンポポの葉
3.炭水化物を減らし、良質の脂肪をとる
なるべくオーガニックで遺伝子組み換えでない、グルテンフリーの
食品を選ぶ。
食肉は抗生物質が使われていないもの、放牧のもの、100%オーガニック
がベスト。
4.ワイン、紅茶、コーヒー、チョコレートを楽しむ
ポリフェノールやフラボノールの摂取がよい。
5.水道水はろ過して飲む
6.季節ごとに断食する
けっこうどこかで聞いたことあるな~ってことも多いですね。実行できるとすればヨーグルト、キムチ、調理した玉ねぎぐらいですか(笑)良質の脂肪とはエキストラバージンオリーブオイルとかココナッツオイル。これも頑張ればできますかね。放牧肉はなかなか売ってませんね・・・。4以降は誰でもできそうです。
というわけで全体的には前作から小麦をとにかくやめろっていう論調なのでグルテンフリーが推奨されています。でもパンとかパスタとかピザをまったく食べない人生なんて・・・!出来そうな人はやったらいいと思います。ただ痩せるためにそこまで我慢したら確実にリバウンドしそうです。